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餡の炊き方講座(基本編)

 今回は、基本編として生餡(豆を煮てつぶしたもの)に砂糖類を加え、練り上げる、練餡工程を紹介致します。(手作業で、鍋で餡を練られることを想定しております。)

 生餡作りからしたいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、豆を炊き、煮えた豆をすりつぶし、漉して水にさらし、絞ると云う作業を手作業で行うのは大変です。だからこそ和菓子屋さんから餡製造部門が分離し、「あんこや(製餡会社)」という専門職が出来たのです。生餡は非常に傷みやすいものですので、お近くの「あんこや」から仕入れて頂くことをお勧めいたします。

 餡の炊き方にはいろいろな炊き方があります。以下の作法は、あくまで私見になりますのでその旨をご了承ください。

《 配合例(基本編) 》

  • 生餡 1000g
  • 砂糖 650g
  • 仕込み水 1000g

 生餡と砂糖の割合は昔からある基本的な配合です。仕込み水は他の調理本などに書いてあるものより多めであると思いますが、この量の仕込み水ですと、沸騰した状態を30分ほど続けることができるので、殺菌のためにこれくらい必要ではないかと思います。もしもっと量を多く作る場合は、仕込み水の割合を減らしてください。

《 製造手順 》

  1. 仕込み水を鍋に入れて加熱します。
  2. その鍋に砂糖を溶かし沸騰させます。
  3. 生餡を入れます。
  4. 吹きこぼれに注意しながら、沸騰させ、弱火にします。
  5. ある程度粘度が高くなってきたら焦げ付かないようにヘラ等でかき混ぜます。
    このまま弱火で炊きますと水っぽい餡になります。ある程度強火にしたほうが、出来上がった時の甘味に切れがあるように思います。また日持ちもするようです。
    (餡が飛びますので、やけどしないように注意してください。手袋や長袖を着用されたうえで作業された方がよいでしょう。)
  6. 出来上がりは、使用用途によって変わってきます。餡は煮詰めていくとだんだん固くなりますが、手で丸められるような硬さを求められるならば、かき混ぜている時に鍋底が見えるようになった後、しばらく煮る必要があります。その時の気温や湿度などでも、餡が冷えた時の状態が変わります。微妙なところは実際に炊いてみないとわからないと思います。
  7. 一日置いて味を馴染ませてからご使用ください。

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